平成27年3月13日に閣議決定された「特許法等の一部を改正する法律案」は平成27年7月3日に可決・成立し、7月10日に法律第55号として公布されました。
特許法に関する主な改正点(概要)は、以下のとおりです。なお、改正後の法律はまだ施行されておりません。
1.職務発明制度の見直し【特許法】
研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境を整備するため、以下の規定が整備されます。
・職務発明に関する特許を受ける権利が初めから法人帰属とすることが可能となります。
・発明者に、現行法と実質的に同等の経済上の利益(金銭など)が与えられます。
・法人と発明者の間でのインセンティブ決定手続の指針を経済産業大臣が策定します。
2.特許料等の改定【特許法、商標法、国際出願法】
特許権・商標権の活用を促進するため、特許料等の料金が改定されます。具体的には、特許料が特許権の設定登録以降の各年において10%程度、商標登録料が25%程度、商標登録の更新登録料が20%程度、それぞれ引き下げられます。
・国際出願の件数拡大を踏まえ、料金が適正化されます。具体的には、国際出願の調査手数料等について、日本語及び外国語別の料金体系に改正されることになります。
3.特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約の実施のための整備【特許法、商標法】
各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化を進める両条約を実施するため、以下の規定が導入されます。以下の規定の導入により、特許・商標の手続の利便性が向上します。
・外国語出願における翻訳文の提出期間を経過した場合の救済規定
・書類の添付忘れ等瑕疵ある出願について、一定期間内に限り補完を可能とする規定
詳しくは、http://www.jpo.go.jp/torikumi/kaisei/kaisei2/tokkyohoutou_kaiei_270710.htmをご参照ください。