Newsletter (2021年2月) │ 法務
2019年薬機法(医薬品医療機器等法)等改正案と企業に与える影響についてはこちら
製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラインの公表についてはこちら
医療機器の販売・貸与業者及び修理業者の法令遵守に関するガイドラインと薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドラインの策定についてはこちら
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I. はじめに
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(2019年(令和元年)12月4日公布。以下「改正薬機法」)では、広い範囲での薬機法の改正がなされました。
今般、2021年(令和3年)1月29日付で「その他令和3年8月施行に関する」整備省令として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和3年厚生労働省令第15号)」[1](以下「改正省令」)が公布され、関連通知として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令の公布について」(令和3年1月29日付厚生労働省医薬・生活衛生局長通知(薬生発0129第2号))が発出されました[2]。また、同日付で、法令遵守体制に関するものとして、「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドライン」について(令和3年1月29日付薬生発0129第5号)[3](2019年9月29日にパブコメ回答と修正後のガイドラインの公表が行われていたもの)、「薬事に関する業務に責任を有する役員」の定義等について(令和3年1月29日付薬生総発0129第1号・薬生薬審発0129第3号・薬生機発0129第1号・薬生安発0129第2号・薬生監麻発0129第5号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長・医薬品審査管課長・医療機器審査管理課長・医薬安全対策課長・監視指導・麻薬対策課長連名通知)[4]が発出されました。
今回の改正省令により、薬機法施行規則の改正内容が明らかとなり、令和3年8月施行にかかる、医薬品・医療機器・再生医療等製品・医薬部外品・化粧品の製造販売、製造、販売等を行う許可等業者(以下「許可等業者」)の、薬事に関する法令遵守体制等についても詳細が示された形となりました。実務上、2021年8月の施行に向けた準備に際して参照必須の省令となります。
このニュースレターでは、当該改正省令等の内容について、法令遵守体制整備に関する事項を中心に、Q&Aの形式でお届けいたします。なお、改正薬機法の概要については、当所ニュースレター:「2019年薬機法(医薬品医療機器等法)等改正案と企業に与える影響」[5]を、製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラインの内容については、当所ニュースレター:「改正薬機法(医薬品医療機器等法) -製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラインの公表」[6]をご参照ください。
II. 改正省令等の内容
Q1 改正省令の趣旨について教えてください。
改正省令の趣旨は、改正薬機法の2021年8月1日施行部分のうち、認定薬局に関するもの以外の部分について、薬機法施行規則を含む関係省令の改正を行うためのものになります。
Q2 改正省令で改正される省令・規則の対象について教えてください。
改正省令で改正されるものは、改正薬機法の2021年8月1日施行部分(認定薬局に関するもの以外)に関する、①薬機法施行規則、②薬機法関係手数料規則、③その他関連規則・省令の改正です。
なお、2020年(令和2年)3月27日にオンライン服薬指導に関する整備省令として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第52号)」[7]が、2020年(令和2年)8月31日にその他令和2年9月施行に関する整備省令として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和2年厚生労働省令第155号)」[8]が、2021年(令和3年)1月22日に認定薬局に関する整備省令として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第5号)」[9]が、それぞれ公布されています。それぞれの内容については、それぞれの省令を参照ください。
Q3 今回の改正省令で改正される薬機法施行規則の項目を教えてください。
改正省令で示された薬機法施行規則の改正項目は以下のとおりです。
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本ニュースレターでは、項目の1と13について触れますが、その他の改正内容も実務上重要ですので適宜改正省令を参照ください。
Q4 改正省令の施行期日はいつですか。
改正省令の施行期日は、改正薬機法の施行期日と同日の2021年8月1日となります。
Q5 法令遵守体制整備について、許可等業者の管理者等が行う業務及び遵守すべき事項としてどのようなものが定められましたか。
法令遵守体制整備について、許可等業者の管理者等が行う業務及び遵守すべき事項として、以下の事項が定められました。各許可等業者は、管理者等が行う業務、遵守すべき事項を再度確認することが求められます。
許可等業者 | 管理者等が行う業務 | 管理者等が遵守すべき事項 |
製造販売業者 (医薬品・ 医薬部外品・ 化粧品・ 医療機器・ 体外診断用医薬品再生医療等製品) |
総括製造販売責任者が行う業務 ①GQP省令[10](医療機器・体外診断用医薬品においてはQMS省令[11])により総括製造販売責任者が行うこととされた業務 ②GVP省令[12]により総括製造販売責任者が行うこととされた業務 ③法令遵守体制の整備の一環として明確化された総括製造販売責任者が有する権限に係る業務 |
総括製造販売責任者が遵守すべき事項 ①品質管理及び製造販売後安全管理(医療機器等総括製造販売責任者においては製造管理を含む。)に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に当該業務を行うこと。 ②総括製造販売責任者が製造販売業者に対して述べる意見を記載した書面の写しを5年間保存すること。 ③品質管理に関する業務の責任者及び製造販売後安全管理に関する業務の責任者との相互の密接な連携を図ること。 |
製造業者 (医薬品・ 医薬部外品・ 化粧品・ 医療機器・ 体外診断用医薬品・ 再生医療等製品) |
医薬品製造管理者が行う業務 ①GMP省令[13]により医薬品製造管理者が行うこととされた業務 再生医療等製品製造管理者が行う業務 ①GCTP省令[14]により再生医療等製品製造管理者が行うこととされた業務 医薬部外品等責任技術者、医療機器責任技術者及び体外診断用医薬品製造管理者が行う業務 ①製造管理及び品質管理に係る業務を統括し、その適正かつ円滑な実施が図られるよう管理監督すること。 ②品質不良その他製品の品質に重大な影響が及ぶおそれがある場合においては、所要の措置が速やかにとられていること及びその進捗状況を確認し、必要に応じ、改善等所要の措置をとるよう指示すること。 全ての上記製造管理者又は責任技術者 ①法令遵守体制の整備の一環として明確化された上記製造管理者又は責任技術者が有する権限に係る業務 |
医薬品製造管理者、医薬部外品等責任技術者、医療機器責任技術者、体外診断用医薬品製造管理者及び再生医療等製品製造管理者が遵守すべき事項 ①製造の管理に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に当該業務を行うこと。 ②上記製造管理者又は責任技術者が製造業者に対して述べる意見を記載した書面の写しを5年間保存すること。 |
薬局開設者・ 医薬品の 販売業者 (店舗販売業者・ 配置販売業者・ 卸売販売業者) |
薬局の管理者、店舗管理者、区域管理者及び医薬品営業所管理者が行う業務 ①医薬品の試験検査及び試験検査の結果の確認(区域管理者を除く。) ②薬局、店舗、区域又は営業所の管理に関する事項を記録するための帳簿の記載 ③特定生物由来製品に関する記録の保存(薬局の管理者に限る。) ④法令遵守体制の整備の一環として明確化された上記管理者が有する権限に係る業務 |
薬局の管理者、店舗管理者、区域管理者及び医薬品営業所管理者が遵守すべき事項 ①従業者の監督、医薬品その他の物品等の管理、その他業務につき、必要な注意をすること。 ②上記管理者が薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して述べる意見を記載した書面の写しを3年間保存すること。 |
高度管理医療機器・ 特定保守管理医療機器の 販売業者・ 貸与業者 再生医療等製品販売業者・ 医療機器の 修理業者 |
高度管理医療機器等営業所管理者・ 特定管理医療機器営業所管理者等・ 再生医療等製品営業所管理者及び 医療機器修理責任技術者が行う業務 ①従業者の監督、製品その他の物品等の管理、その他業務に対し注意を払う業務 ②販売業者、貸与業者又は修理業者に対する書面による意見申述 ③法令遵守体制の整備の一環として明確化された上記営業所管理者又は責任技術者が有する権限に係る業務(特定管理医療機器営業所管理者等を除く。) |
高度管理医療機器等営業所管理者・ 特定管理医療機器営業所管理者等・ 再生医療等製品営業所管理者及び 医療機器修理責任技術者が遵守すべき事項 ①営業所の管理に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に当該業務を行うこと。 ②上記営業所管理者又は責任技術者による販売業者、貸与業者又は修理業者に対して述べる意見を記載した書面の写しを3年間保存すること。 |
Q6 許可等業者が講ずべき法令遵守体制を確保するための措置は何ですか。
法令遵守体制整備について、講ずべき法令遵守体制を確保するための措置として、以下の事項が定められました。各許可等業者は、必要な者の権限の明確化が図られているか、必要な措置、体制が整えられているか検討することが求められます。
許可等業者 | 許可等業者が措置すべき事項 |
製造販売業者 (医薬品・ 医薬部外品・ 化粧品・ 医療機器・ 体外診断用医薬品・ 再生医療等製品) |
①製造販売業者が明らかにすべき総括製造販売責任者の権限 1) 品質保証責任者、安全管理責任者その他の品質管理及び製造販売後安全管理に関する業務に従事する者(医療機器等の製造販売業者については国内品質業務運営責任者、医療機器等安全管理責任者その他の製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理に関する業務に従事する者。)に対する業務の指示及び監督に関する権限 2) 品質管理及び製造販売後安全管理(医療機器等の製造販売業者については、製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理。以下同じ。)に関する措置(製品の廃棄、回収、販売の停止、注意事項等情報等の改訂、医療関係者への情報の提供又は法に基づく厚生労働大臣への報告等)の決定及び実施に関する権限 3) 製造業者、外国製造業者その他製造に関する業務(試験検査等の業務を含む。)を行う者に対する管理監督に関する権限 4) 上記のほか、品質管理及び製造販売後安全管理に関する権限 ②製造販売業者の業務の適正を確保するために必要なものとして整備すべき体制・製造販売業者の業務の遂行が法令に適合することを確保するために必要な規程の作成を行う体制 1) 製造販売業者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者に対する教育訓練の実施及び評価を行う体制 2) 製造販売業者の業務の遂行に係る記録の作成、管理及び保存を行う体制 3) 製造販売業者が薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務を監督するために必要な情報を収集し、その業務の適正を確保するために必要な措置を講ずる体制 4) 上記のほか、製造販売業者の業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置その他の製造販売業者の業務の適正を確保するための体制 ③基準を遵守して品質管理及び製造販売後安全管理を行わせるために必要な権限を付与すべき者 1) 総括製造販売責任者 2) 品質保証責任者(医療機器・体外診断用医薬品の製造販売業者については、国内品質業務運営責任者) 3) 安全管理責任者 4) 上記のほか、品質管理及び製造販売後安全管理に関する業務に従事する者 ④上記①から③までのほかに製造販売業者の業務の適正な遂行に必要なものとして定める措置 1) 製造販売業者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すこと。 2) 薬事に関する業務に責任を有する役員の権限及び分掌する業務を明らかにすること。 3) 製品の製造方法、試験検査方法その他の製品の品質に影響を与えるおそれのある事項の変更に関する情報の収集、製品について承認又は認証された事項の一部を変更するために必要な手続その他の必要な措置 4) 改正後薬機法第68条の10第1項の規定に基づく副作用等の報告が適時かつ適切に行われることを確保するために必要な情報の管理その他の措置 5) 製造販売業者が医薬関係者に対して行う製品に関する情報提供が、客観的及び科学的な根拠に基づく正確な情報により行われ、かつ、改正後薬機法第66条から第68条までに違反する記事の広告、記述又は流布が行われないことを確保するために必要な業務の監督その他の措置 6) 上記のほか、上記②に規定する体制を実効的に機能させるために必要な措置 |
製造業者 (医薬品・ 医薬部外品・ 化粧品・ 医療機器・ 体外診断用医薬品・ 再生医療等製品) |
①製造業者が明らかにすべき製造管理者又は責任技術者の権限 1) 製造の管理に関する業務に従事する者に対する業務の指示及び監督に関する権限 2) 上記のほか、製品の製造の管理に関する権限 ②製造業者の業務の適正を確保するために必要なものとして整備すべき体制 1) 製造業者の業務の遂行が法令に適合することを確保するために必要な規程の作成を行う体制 2) 製造業者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者に対する教育訓練の実施及び評価を行う体制 3) 製造業者の業務の遂行に係る記録の作成、管理及び保存を行う体制 4) 製造業者が薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務を監督するために必要な情報を収集し、その業務の適正を確保するために必要な措置を講ずる体制 5) 上記のほか、製造業者の業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置その他の製造業者の業務の適正を確保するための体制 ③(医薬品等の製造業者及び再生医療等製品の製造業者において)基準を遵守して製造管理及び品質管理を行わせるために必要な権限を付与すべき者 1) 医薬品製造管理者 2) 医薬部外品等責任技術者 3) 再生医療等製品製造管理者 4) 上記のほか、製品の製造の管理に関する業務に従事する者 ④上記①から③までのほかに製造業者の業務の適正な遂行に必要なものとして定める措置 1) 製造業者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すこと。 2) 薬事に関する業務に責任を有する役員の権限及び分掌する業務を明らかにすること。 3) 製品の製造方法、試験検査方法その他の製品の品質に影響を与えるおそれのある事項の変更に関する情報の収集、当該情報の製造販売業者(医療機器・体外診断用医薬品の製造業者においては外国製造医療機器等特例承認取得者又は外国指定高度管理医療機器製造等事業者を含む。)に対する連絡その他の必要な措置 4) 上記のほか、上記②に規定する体制を実効的に機能させるために必要な措置 |
薬局開設者・ 医薬品の販売業者(店舗販売業者・配置販売業者・ 卸売販売業者) |
①薬局開設者又は医薬品の販売業者が明らかにすべき管理者の権限 1) 薬局、店舗又は営業所(以下「薬局等」という。)に勤務する薬剤師、登録販売者その他の従業者(配置販売業においては区域内において配置販売に従事する配置員その他の従事者)に対する業務の指示及び監督に関する権限 2) 上記のほか、薬局等(配置販売業においては区域。以下同じ。)の管理に関する権限 ②薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の適正を確保するために必要なものとして整備すべき体制 1) 薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の遂行が法令に適合することを確保するために必要な規程の作成を行う体制 2) 薬局開設者又は医薬品の販売業者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者に対する教育訓練の実施及び評価を行う体制 3) 薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の遂行に係る記録の作成、管理及び保存を行う体制 4) 薬局開設者又は医薬品の販売業者が薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務を監督するために必要な情報を収集し、その業務の適正を確保するために必要な措置を講ずる体制 5) 上記のほか、薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置その他の薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の適正を確保するための体制 ③上記①及び②のほかに薬局開設者又は医薬品の販売業者の業務の適正な遂行に必要なものとして定める措置 1) 薬局開設者又は医薬品の販売業者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すこと。 2) 薬事に関する業務に責任を有する役員の権限及び分掌する業務を明らかにすること。 3) 薬局開設者又は医薬品の販売業者が2以上の許可を受けている場合にあっては、当該許可を受けている全ての薬局等において法令遵守体制が確保されていることを確認するために必要な措置 4) 薬局開設者又は医薬品の販売業者が2以上の許可を受けている場合であって、2以上の薬局等の法令遵守体制を確保するために薬局開設者又は医薬品の販売業者を補佐する者を置くときは、次に掲げる措置 (1)薬局開設者又は医薬品の販売業者を補佐する者が行う業務を明らかにすること。 (2)薬局開設者又は医薬品の販売業者を補佐する者が2以上の薬局等の法令遵守体制を確保するために薬局等の管理者から必要な情報を収集し、当該情報を薬局開設者又は医薬品の販売業者に速やかに報告するとともに、当該薬局開設者又は医薬品の販売業者からの指示を受けて、薬局等の管理者に対して当該指示を伝達するための措置。 (3)薬局開設者又は医薬品の販売業者が2以上の薬局等の法令遵守体制を確保するために薬局開設者又は医薬品の販売業者を補佐する者から必要な情報を収集し、薬局開設者又は医薬品の販売業者を補佐する者に対して必要な指示を行うための措置。 5) 医薬品の保管、販売、その他医薬品の管理に関する業務が適切に行われ、かつ、薬局開設者又は医薬品の販売業者の義務が履行されるために必要な措置 6) 上記のほか、上記②に規定する体制を実効的に機能させるために必要な措置 |
高度管理医療機器・ 管理医療機器の 販売業者・ 貸与業者 再生医療等製品の販売業者 医療機器の 修理業者 |
①販売業者、貸与業者又は修理業者(以下「販売業者等」という。)が明らかにすべき営業所管理者(医療機器修理業においては修理責任技術者)の権限(管理医療機器の販売業者又は貸与業者の権限においては特定管理医療機器の販売業者又は貸与業者のものに限る。) 1) 営業所に関する業務(医療機器修理業においては修理に関する業務)に従事する者に対する業務の指示及び監督に関する権限 2) 上記のほか、営業所の管理(医療機器修理業においては修理の管理)に関する権限 ②販売業者等の業務の適正を確保するために必要なものとして整備すべき体制 1) 販売業者等の業務の遂行が法令に適合することを確保するために必要な規程の作成を行う体制 2) 販売業者等の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者に対する教育訓練の実施及び評価を行う体制 3) 販売業者等の業務の遂行に係る記録の作成、管理及び保存を行う体制 4) 販売業者等が薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務を監督するために必要な情報を収集し、その業務の適正を確保するために必要な措置を講ずる体制 5) 上記のほか、販売業者等の業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置その他の販売業者等の業務の適正を確保するための体制 ③上記①及び②のほかに販売業者等の業務の適正な遂行に必要なものとして定める措置 1) 販売業者等の従業者に対して法令遵守のための指針を示すこと。 2) 薬事に関する業務に責任を有する役員の権限及び分掌する業務を明らかにすること。 3) 上記のほか、上記②に規定する体制を実効的に機能させるために必要な措置 |
Q7 医薬品の総括製造販売責任者の基準はどのようになりますか。
医薬品の総括製造販売責任者の基準については以下のとおり定められました。医薬品の製造販売業者は、当該基準を満たす総括製造販売責任者であることを確認する必要があります。
ア.医薬品の品質管理及び製造販売後安全管理に関する業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
イ.第一種医薬品製造販売業許可を受けた製造販売業者の場合は、医薬品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務その他これに類する業務に3年以上従事した者であること。
また、イについて、改正省令の施行(令和3年8月1日)の際、現に置かれている医薬品等総括製造販売責任者には、改正省令の施行後3年間は適用しないこととする経過措置を設けることとされました。
Q8 薬剤師以外の技術者を置くことができる場合はどのようになりますか。
改正後薬機法第17条第1項第2号又は改正後薬機法第23条の2の14第1項第2号に該当する場合であって、総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置くことができる場合については、以下のとおり定められました。総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置くことを検討している企業は以下の要件を満たした者であることを確認することが求められます。
ア.医薬品又は体外診断用医薬品の製造販売業者は、総括製造販売責任者として薬剤師を置くことが著しく困難であると認められるときは、以下の要件を満たす者を置くことができる。
① 大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
② 厚生労働大臣が①に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
イ.総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置くことができるのは、技術者を置いた日から起算して5年とする。
ウ.医薬品又は体外診断用医薬品の製造販売業者は、総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置く場合には、以下の措置を講ずる必要があることとする。
① 総括製造販売責任者を補佐する者として薬剤師を置くこと
② 総括製造販売責任者として薬剤師を置くために必要な措置
Ⅲ.まとめ
以上みてきたように、今回の改正省令は改正薬機法の求める法令遵守体制等について詳細を定めるものであることから、上述した改正内容を精査し、自社の法令遵守体制に不足している点がないかの検証を進めることが有用と考えられます。多くの企業にとって、組織の見直し、社内規程の整備・修正等の対応(又はその検討)が必要と考えられることから、8月施行の薬機法改正に向けた社内チームの編成やマネジメントへのインプットを行っていくことが重要です。
また、引き続き議論の動向を注視し、対応していく必要があります。
(2021年2月8日)
[10] 医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第136号)
[11] 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第169号)
[12] 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第135号)
[13] 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号)
[14] 再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第93 号)
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