12月 2017

知財: 2017年12月号「 中国医薬品のパテントリンケージ制度の最新動向」

China IPニュースレター2017年12月号が発行されました。

 

パテントリンケージ制度とは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を承認する際に、先発医薬品メーカーとの事前調整を求めるなど、先発医薬品の有効特許期間を考慮して、訴訟等により製品の安定供給の問題が生じることのないようにする仕組みです。

中国において、2007年から施行されてきた『医薬品登録管理弁法』第18条にジェネリック医薬品の申請者が、先発医薬品に関して特許権が存在する場合、当該特許権の侵害を構成しない旨の宣言を行う義務を有すると規定されています。しかし、このような宣言を行わない場合に、どのような罰則が適用されるかについて一切言及されていません。実務上、中国国家食品医薬品監督管理総局(CFDA)は、ジェネリック医薬品の承認申請にあたって先発医薬品の特許権を侵害しているかを審査する能力を持っていないため、特許権を侵害しているか不明のまま製造承認の許可を下す可能性が高いです。

このような状況において、2017年5月12日、CFDAにより『医薬品医療機器イノベーション推奨とイノベーター権益保護に関する政策(意見募集案)』(以下、『公告第55号』という)が公布されました。医薬品パテントリンケージ制度の設立、医薬品試験データ保護制度の整備、及び関係職員による守秘義務遂行の促進と上市医薬品目録の作成という内容の『公告第55号』に対して公衆に向けパブリックコメントを募集しました。

その後、2017年10月8日、中国中央弁公庁、国務院弁公庁により『審査承認制度改革の推進と医薬品医療機器イノベーションの推奨に関する意見』(以下、『意見』という)が共同で発表され、各機関が実情に合わせて徹底的にその改革を実施するよう求めました。当該『意見』は、臨床試験管理の改革、上市審査承認の加速化、医薬品イノベーションとジェネリック医薬品発展の促進、医薬品と医療機器ライフサイクル管理の強化などを含め、計36の条項からなります。

また、2017年10月23日、CFDAにより『医薬品登録管理弁法(改正案)』(以下、『改正案』という)が公開され、公衆に向けてパブリックコメントを募集しました。当該改正案の第九十八条にはジェネリック医薬品申請者が承認申請を行う際に、特許権を侵害するか否かを確認し、特許権者に告知することが義務付けられています。

これらの法律規制が相次いで公開・頒布されたことは、中国のパテントリンケージ制度が施行されようとしていることを明確に示しています。しかし、この制度は依然不明瞭なところが多く、市場環境にあうよう調整する必要もあるため、完全に施行するまでにまだ時間がかかると思われます。

上記三つの法律規制に関し、中国医薬品のパテントリンケージ制度に係わる部分についての詳細につきましてはこちらをご覧ください。

 

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2017年12月8日(東京)&12月13日(大阪): 日本知的財産協会の研修会にて講義を行いました。

このたび、弊所のフェリックス=ラインハルト・アインゼル(弁理士)は、日本知的財産協会(JIPA)の研修会WE21にて「欧州における知的財産の活用と実務」について6時間に渡る講義を行いました。欧州における知的財産権の最新動向、具体的には欧州単一特許や裁判所の導入可能性、EUの新レギュレーションやダイレクティブ、欧州司法裁判所の最新の判断、また、最近日本企業によるEPO出願からドイツ特許庁へ出願をシフトする傾向が強いことを踏まえ、ドイツ特許庁における特許・実用新案についてのプロセキューションや権利行使について解説致しました。今年は、東京での講義には137名の方が、大阪での講義には28名の方が参加してくださいました。本講義は来年も同時期に行われる予定です。

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2017年12月8日: 医薬品企業法務研究会国際問題研究部会において、プレゼンテーションをおこないました

2017年12月8日に開催された、医薬品企業法務研究会国際問題研究部会において、当事務所の根本弁護士及び坂井弁護士が、「日本企業が米国企業と英文ライセンス契約を締結する際に留意すべき点(日本法、米国法における、特許侵害、知的財産権条項を中心に)」というタイトルのセミナーを行いました。

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