3月 2016

料金改定&応答期間延長に関する運用の変更

平成27年改正法の施行に伴い、特許出願における拒絶理由通知の応答期間の延長に関する運用(以下、「拒絶理由通知の応答期間の延長に関する運用」という。)が変更される予定です。

また、同日付で、特許関係料金及び国際出願に係る国際調査手数料等の庁費用が改定されることとなります(以下、「料金改定」という。)。

平成27年改正法の施行日は平成28年4月1日となります。

以下に、主な改定点・変更点を説明します。

なお、単に「施行日」と記載されているものは、本改正法の施行日すなわち平成28年4月1日を意味します。

 

 

I.「拒絶理由通知の応答期間の延長に関する運用」について

特許庁HP:
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/kyozetu_entyou_160401.htm

 

(1)拒絶理由通知の応答期間内に行う期間延長請求

現行運用においては、出願人が国内居住者の場合は、合理的な理由がある場合に限って1か月のみ応答期間の延長が認められていますが、1通の請求で2か月の応答期間の延長が認められ、かつ、請求のための合理的理由は不要となります(出願人が在外者については上記URLをご参照下さい)。

また、手数料については、現行の運用の通り、1件につき2,100円であり、変更ありません(特許法等関係手数料令)。

(2)拒絶理由通知の応答期間経過後に行う期間延長請求

拒絶理由通知の応答期間経過後であっても延長可能な期間内(2か月以内)であれば、請求により期間の延長が認められます。出願人が国内居住者である場合及び在外者である場合のいずれも、1通の請求で2か月の応答期間の延長が認められます。請求のための合理的な理由は不要とします。

当該期間延長請求を行う際には、(1)の延長請求の手数料よりも高額な手数料(特許:1件につき51,000円、商標:1件につき4,200円)が必要となります(特許法等関係手数料令、商標法等関係手数料政令)。

(3)新運用の適用対象

上記(1)及び(2)の運用は、拒絶理由通知(施行日前に発せられたものを含みます。)の応答期間が施行日以後に経過する場合であって、かつ、応答期間の延長請求が施行日以後にされた場合に適用されます。

なお、拒絶査定不服審判請求後の拒絶理由通知(前置審査中のものを含む。)及び特許権の存続期間の延長登録出願の拒絶理由通知の応答期間については、現行の運用のとおりで変更はありません。

 

 

II.「料金改定」について

特許庁HP(http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/fy27_ryoukinkaitei.htm

 

特許関係

(1)出願料

外国語書面出願、PCT出願の国内移行手続を含め、特許出願に係る出願費用については、現行法に比べて9~10%程度引き下げられます。

 

(2)PCT国際出願に係る手数料

国際出願の調査手数料等を、日本語及び外国語別の料金体系別に改正されます。日本語による国際出願の場合には据え置きとなりますが、外国語による国際出願の場合には、現行法と比べて2倍程度引き上げとなります。

国際調査手数料(追加手数料を含む)については国際出願日(国際出願を受理した日)、予備審査手数料(追加手数料を含む)については当該手数料の納付日が、それぞれ、施行日以降であれば、新料金が適用されます。

 

(3)特許料等

基本手数料(請求項加算を除く手数料)については、現行法に比べて10%程度引き下げられます。請求項加算手数料についても、現行法に比べて、据え置き若しくは引き下げられます。

新料金については、原則として、施行日以降に納付される特許料等に適用されます。ただし、施行日以降の納付であっても旧料金が適用される場合がございます。具体的な案件に関して適用される料金については、上記URLの「2.適用の考え方」をご参照いただくか、弊所までお問い合わせ願います。

 

商標関係

今回の法改正に伴い、特許関係料金に加え、商標関連でも商標設定登録料及び更新登録料が改定(それぞれ、25%、20%程度引き下げ)されることとなりました。

 

新料金は、

(1) 設定登録料の納付期限(期間延長した場合は延長後の期限)が施行日以降に到来する出願の、施行日以降に行う設定納付(マドプロの2段階納付を含む)

(2) 更新期限(権利存続期間満了日)が施行日以降に到来する登録の、施行日以降に行う更新申請(マドプロ更新登録料納付を含む)

(3) 更新申請(分割納付)を施行日以降に行った登録の、後期分の更新登録料納付

にのみ適用されます。

 

ご不明な点は個別ご案内いたしますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

 

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特許権の存続期間の延長登録出願に関する審査基準の改訂について

最高裁判決(平成27年11月17日最高裁第三小法廷判決・平成26年(行ヒ)第356号)に倣って、特許権の存続期間の延長登録出願に関する審査基準が改訂され、4月中を目途に改訂審査基準の運用が開始する予定です。

以下、改訂審査基準案に関して簡単に説明します。

 

現行の審査基準

特許法第67条の3第1項第1号によれば、「その特許発明の実施に第67条第2項の政令で定める処分を受けることが必要であった」とは認められないときには、延長登録出願は拒絶されます(※政令で定める処分としては、以下の二つが規定されています(特許法施行令第2条)、(i) 農薬取締法の規定に基づく農薬に係る登録、(ii) 薬機法の規定に基づく医薬品、体外診断用医薬品、再生医療等製品に係る承認・認証)。

現在の審査基準では、本件処分に先立つ先行処分がある場合において、延長登録の出願に係る特許発明のうち、本件処分の対象となった医薬品類又は農薬の「発明特定事項(及び用途)に該当する事項」によって特定される範囲が、先行処分によって実施できるようになっていたときに、特許法第67条の3第1項第1号に基づく拒絶理由が通知されることになります。

 

最高裁の判示

しかし、上記最高裁判決は、かかる審査基準は否定されるべきものであることを判示しました(下線は弊所で付したものです)。

「先行処分と出願理由処分とを比較した結果,先行処分の対象となった医薬品の製造販売が,出願理由処分の対象となった医薬品の製造販売をも包含すると認められるときには,延長登録出願に係る特許発明の実施に出願理由処分を受けることが必要であったとは認められないこととなるというべきである。そして,このように,出願理由処分を受けることが特許発明の実施に必要であったか否かはあくまで先行処分と出願理由処分とを比較して判断すべきであり,特許発明の発明特定事項に該当する全ての事項によって判断すべきものではない。

「出願理由処分と先行処分がされている場合において,延長登録出願に係る特許発明の種類や対象に照らして,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について両処分を比較した結果,先行処分の対象となった医薬品の製造販売が,出願理由処分の対象となった医薬品の製造販売を包含すると認められるときは,延長登録出願に係る特許発明の実施に出願理由処分を受けることが必要であったとは認められないと解するのが相当である。」

 

改訂審査基準案

改訂審査基準案では、上記最高裁判決の判示に倣って、次のことが説明されています。

「本件処分及び先行処分の対象となった医薬品類の製造販売の行為又は農薬の製造・輸入の行為が延長登録出願に係る特許発明の実施行為に該当する場合において、先行処分の対象となった医薬品類の製造販売又は農薬の製造・輸入が、本件処分の対象となった医薬品類の製造販売又は農薬の製造・輸入を包含しているとき」には、特許発明の実施に政令で定める処分を受けることが必要であったとは認められず、拒絶理由が生じる。

包含するか否かは、「延長登録出願に係る特許発明の種類や対象に照らして、医薬品類又は農薬としての実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について両処分を比較」することにより判断される。

「包含」について

「先行処分の対象となった医薬品類の製造販売又は農薬の製造・輸入が、本件処分の対象となった医薬品類の製造販売又は農薬の製造・輸入と一部重複している場合も包含の一態様とする」

「実質的同一性に直接関わることとなる審査事項」について

特許発明の種類や対象並びに政令で定める処分に関連して、次の例が挙げられています(下記表の赤枠内が「実質的同一性に直接関わることとなる審査事項」の例示)。

JP_cabinet_order

 

さらに、本件処分と先行処分との違いを明確にする必要がある場合には、願書の記載事項における「第67条第2項の政令で定める処分の内容」の「用途」欄に、例えば「用法、用量」を記載することができるようになります。

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セミナー「日本における労働契約」のご案内

日本で雇用を伴う事業活動を行うすべての企業は日本の労働法の適用を受けます。日本の労働法の複雑な規定と昨今の改正について理解を深めることは、外国企業の日本法人にとって非常に重要となります。在日ドイツ商工会議所で開催される今回のセミナーは、人事関連シリーズと銘打ち、大杉真弁護士眞峯伸哉ドイツ法弁護士 が日本における雇用契約に適用される複雑な法令の概要について説明を行い、同時にドイツの労働法制との比較も行います。

 

本セミナーの詳細および本セミナーへの参加を希望される方は、在日ドイツ商工会議所のホームページ にアクセスしてください。なお、本セミナーは英語で開催されます。

 

日時:            2016年3月30日(水)、18時30分~21時00分

会場:            在日ドイツ商工会議所(地図 (東京都千代田区三番町2-4、三番町KSビル5階)

会費:            在日ドイツ商工会議所会員 5,400円、非会員 8,640円

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